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AZtecCrystal ー EBSDデータ解析ツール

高い品質のデータを収集することは、EBSD解析の第一歩です。AZtecCrystalはEBSDデータを処理・解析するために必要な全てのツールを備え、材料に関する問題を解決します。

AZtecHKLとシームレスに連携し、かつスタンドアローンのプログラムとしても操作できるAZtecCrystalは、エキスパートから初心者のユーザーの方まで、標準的なEBSDデータ解析ツールとなります。

  • 高速かつ大容量データ処理に最適化

  • 選択可能なビューモードで直感的なレイアウト

  • マップ、極点図、ODF表示と解析

  • 様々な微細構造解析ツール

  • 高度なデータハンドリングと材料設定


お問い合わせ

動作を見る

AZtecCrystalは電子線後方散乱回折(EBSD)を使用して収集したデータを処理する、総合的なソフトウェアパッケージです。EBSD解析に初めて触れられる方でも使いやすいように設計され、また熟練された方にとってもより深く材料を解析できる最先端のツールとしてご使用いただけます。EBSDデータ解析に必要とされているものはすべて、AZtecCrystalがご提供致します。

Flexible

  • 複合的な表示: 材料的な問題を解決するために必要な解析ツールを表示
  • 複数レイヤーマップの作成と表示
  • ラップトップからワークステーションまで、全てのコンピュータで動作

Fast

  • クオータニオンをベースとしたアルゴリズムで、最速のデータ処理
  • どんなサイズのデータでもAZtecから容易にデータを受け渡し:大きなデータでも数秒で処理
  • データと設定はプロジェクト内に保存され、高速の再読み込み可能

Intelligent

  • 機械学習による結晶相分類、"真の長さ "を計測可能な粒界分析、迅速な母相再構築機能など、インテリジェントなルーチンを中心に設計
  • 多数の表示オプションを備えたASTMに準拠したグレインサイズ解析
  • 全ての材料に向けた設定

データ管理

  • HDF5データ形式 (*.h5oina) を読み込み
  • 保存されたEBSDパターンは、*.h5oinaデータファイル内に埋め込み可能
  • 簡単にデータをエクスポートし、AZtecから直接起動
  • デモンストレーションデータを内蔵、使いやすいヘルプシステムを採用
  • 直近で読み込んだデータを可視化
  • 各データセットには全てのマップ、極点図、ODF、計測値、設定を保存
  • 自動ボイド/クラック検出と疑似対称性エラー除去機能を内蔵したカスタマイズ可能なデータクリーニングツール
  • 6400万ポイントデータを処理するために最適化された、高速クオータニオン処理
  • 新規にデータを開いた際に、方位、結晶相マップ、極点図、グレインサイズを自動計算
  • 高度なテンプレートツールにより、すべての表示や計算を素早くカスタマイズ可能
  • インテリジェントなバッチテンプレートツールを用いたデータセットの自動処理
  • AZtecCrystal内の全ての画面から画像とデータを自由に出力


ユーザーインターフェース

  • AZtecのテーマと共通する直感的なインターフェース
  • 解析に必要なツールにアクセスでき、選択可能な表示モード
  • 簡単にデータとツールを管理できるプロジェクトツリーと設定画面
  • マルチモニターで表示するためにアンドック可能なワークスペース
  • ズームレベルを選択可能で、様々なスクリーン解像度で操作可能
  • データ解析モードとMapSweeperのデータ拡張モードを簡単に切り替え可能
  • 日本語を含む多言語に対応


マップ表示と解析

  • タブ形式またはタイル形式を選択可能なマップ表示
  • 複数のマップ操作モード(ポイント選択、グレイン選択、プロファイル計測、サブセット選択)
  • コンパクトでマップと共に出力される凡例表示
  • 個々のレイヤーを選択して作成できるマップ – レイヤー数の制限無し
  • カスタマイズ可能な複数のマップレイヤー:
    • パターンクオリティとミスフィット
    • 方位カラー
    • テクスチャコンポーネント
    • ひずみと変形(GND密度、KAM)
    • EDS元素分布
    • グレインサイズ、形状、内部方位分布
    • グレイン / サブグレイン / 結晶相界
    • 特殊粒界(双晶、CSL粒界)
    • 方位と格子の関係
    • ひずみとWeighted Burgers vector情報
  • 個々のマップの値と分布を個別に表示
  • 幅を可変でき複数のコンポーネントを表示できるミスオリエンテーションプロファイル
  • マップナビゲータ:データセット領域全体に対する位置を表示


テクスチャ解析

  • カスタマイズ可能な極点図表示
  • カスタマイズ可能な逆極点図表示
  • 方位分布関数(ODF)解析 
  • ODF計算、密度表示、プロジェクション選択等の設定をユーザー定義
  • Pole plotの計算と表示
  • Sample symmetryを選択可能
  • 試料固定誤差を補正するデータローテーション


グレインサイズ解析

  • ユーザー定義可能なグレインサイズ計測
  • 高速アルゴリズム – 20,000グレインを15秒以内で計測
  • 複数のグレインモデル表示
  • グレインサイズヒストグラム表示
  • ASTM E2627に準拠したグレインサイズナンバー
  • サブセット解析のためのフィルタリング可能なグレインサイズリスト
  • 双晶グレイン統計解析
  • グレインベースの計測値の関係を特定するパラメータ相関ツール


SEMイメージビューア - 収集後ドリフト/歪み補正が可能な電子線像表示

  • 同じAZtecの分析領域からの任意の電子線画像を選択して表示(例:FSD、BSE、SE画像など)
  • 透過率を調整できるEBSDマップオーバーレイ
  • EBSDマッピング時のドリフトを補正するための包括的な歪み補正。
    • 一定のドリフトや歪みを補正するシンプルモード
    • 電子線画像とEBSDマップの特徴の一致を利用した拡張モード
  • 補正されたEBSDデータを新しいデータセットとして保存し、次の解析に役立てることが可能


データのサブセット化

  • AZtecCrystalで詳細なデータ解析を可能にするコア機能
  • 複数の方法でサブセットを定義:
    • マップから
    • ODFや極点図/逆極点図から
    • フィルタリングしたグレインリストから
    • 任意のパラメータ(パターンクオリティ、X線カウント、シュミッドファクター等)から
  • 自由度のあるサブセット操作(形態/組み合わせ/結晶相)
  • サブセットは新規データとして作成可能


完全な粒界解析 – データセット内の粒界群の完全な特性評価

  • グレイン、結晶相、CSL、特殊粒界を含む総合的な統計
  • インテリジェントな"True Length"アルゴリズムで粒界方位バイアスを補正
  • 一致統計量を用いた粒界ディスオリエンテーション解析
  • テクスチャ強度のM-index
  • すべてのデータセットに特徴的なドメインサイズを提供 - 親グレインサイズ測定に最適なDisorientation Distribution Function Analysis
  • 試料または結晶座標での粒界回転軸のプロット



先進的なツール

  • 分類ツール – データを類似クラスに分割するための高度なツール:
    • 最大3つのマップパラメータを同時に使用
    • ユーザー主導のトレーニングでシステムが学習
    • 結晶学だけでは分離できない領域(フェライト、ベイナイト、マルテンサイト、または変形・再結晶率など)を識別するのに最適
    • クラスをサブセットに変換して詳細な分析が可能
    • 分類レシピはテンプレートに保存可能
  • 材料特性 - 方位情報に基づくグレインの弾性特性の計算と表示:
    • 一般的な材料を含むユーザーによる編集可能な弾性係数データベース
    • 5つの弾性特性(ヤング率、せん断弾性率を含む)を高速計算
    • 空間的な変化を示すマップ表示
    • 異なる荷重方向での変化を示す、ヤング率と線形圧縮率の極点図表示
    • バルク平均 (Voigt, Reuss, Hill, and Geometric)
  • ペアレントグレイン解析 - 相変態前の親組織を再構築
    • 鉄鋼やTi/Nb/Zr合金を含む、あらゆる素材に対応できるように開発
    • 複数の標準エントリを持つユーザー定義の方位関係ライブラリ
    • ユーザーが定義したトレーニングエリアを使用した方位関係の絞り込み
    • 迅速な再構築と優れた結果の表示
    • 再構築されたデータセットは、新しいプロジェクトとして保存され、広範な調査と分析が可能
    • 大規模な親結晶の微細構造を再現可能(例:1000個の親粒)
  • 転位解析ツール – 転位の種類と転位密度の詳細な解析
    • Weighted Burgersベクトル法による転位解析の高度化
    • Weighted Burgersベクトルの大きさと向きを仮定なしで高速かつ厳密に解析
    • Weighted Burgersベクトルの大きさと方向(矢印)のマップ表示
    • 極点図および逆極点図におけるweighted Burgersベクトルの方向性の表示
    • ユーザーが定義した範囲を調査するインタラクティブモード
    • バーガーズベクトルの方向とスリップシステムの活動をかつてないほど詳細に明らかに。
    • Geometrically necessary dislocation (GND)密度測定が可能

AZtecCrystal MapSweeper – パターンマッチング技術によるデータセット拡張と再指数付け

  • 運動学的モデル、2ビームまたは多ビームダイナミックモデルを用いたEBSDパターンのフルシミュレーション
  • 実測パターンとシミュレーションパターンの高速画像間相関処理
  • 高精度キャリブレーション微調整ツール
  • 複数の "Sweep "タイプ:
      • Indexing sweep – 新しい動的テンプレートマッチング方式による完全な再指数付け
      • Refinement sweep – 既存の結晶相/方位の結果を使用して、データ品質を向上:
      • 方位の微調整
      • 擬似対称性の補正(結晶極性測定含む)
      • 結晶相分離
  • Repair sweep – 指数付けされた測定誤差を修正し、指数付けされていない点を反復的に削除
  • 解析にはローカルピクセルジオメトリーキャリブレーションを使用し、精度を向上
  • すべての解析(「Indexing sweep」を除く)は、通常のPC/ラップトップで実行可能(GPUは不要)
  • 再解析スピード > 1000 Hz
  • 複数の応用例 - 高変形材料、ナノ結晶試料、高精度転位解析、半導体極性決定など。


AZtecCrystal デモンストレーション

ZtecCrystalの最新のインタラクティブなデモンストレーションをご覧いただき、最新のEBSDデータ処理ソフトウェアのスピード、柔軟性、インテリジェンスをご理解ください。

 


チュートリアル: Effective EBSD data processing using AZtecCrystalAZtecCrystal Demonstration

 

このチュートリアルでは、データクリーニングや粒径測定などのデータ処理の基本的な手順を説明するとともに、親粒子の再構成や弾性特性の計算など、より高度な分析ツールについても触れています。

視聴時間: 約26分

応用例

AZtecCrystalは高速かつ高スループットでEBSDデータを解析可能です。 高速処理に最適化され、かつ使いやすいインターフェースを搭載しており、AZtecCrystalはEBSDの多様性をすべてのユーザーの方に提供します。主な応用分野は以下の通りですが、AZtecCrystalはEBSDの全ての分野に理想的なパッケージです。

 

鋼および超合金の不良解析

  • 材料を通じた亀裂の伝播を理解することは、破損しにくい材料を設計するための鍵となります。
  • AZtecCrystalには、き裂先端の塑性ひずみの蓄積を研究したり、結晶粒構造、方位、き裂進展の関係を調べるための複数のツールが用意されています。

鋼材中のオーステナイト粒度の決定

  • マルテンサイト鋼やTi合金などの多くの材料では、最終的な結晶粒径、ひいては材料の強度に大きな影響を与えるため、母材の結晶粒微細構造を理解することが重要です。
  • AZtecCrystalには、方位関係に基づいて親組織を再構築する包括的な親結晶粒分析ツールが組み込まれており、旧オーステナイト組織の粒径、粒界特性、テクスチャの完全な分析が可能です。

圧延板のテクスチャ解析

  • テクスチャやグレインの優先方位は材料の性質に影響を与え、また圧延板等の金属材料において重要な測定項目となっています。
  • AZtecCrystalは、テクスチャを評価するために必要な全てのツール ー 方位分布関数 (ODF)、極点図・逆極点図、カスタマイズ可能なテクスチャコンポーネントマップ、テクスチャを決定する多様な方法 ー を備えています。

岩石の変形プロセスの理解

  • 岩石の温度や圧力に対する反応と同様に、ストレスやひずみに対する反応も、プレートテクトニクスや地震の原因を理解するために重要であり、結果として鉱石鉱物の存在位置の理解にもつながります。
  • AZtecCrystalは、マップ中や粒界方位差解析等の様々なアプローチで、変形プロセスを強調した結果を表示します。

付加製造されたTi合金の弾性特性

  • AZtecCrystalには、各結晶粒の方位に基づいて材料の弾性特性を計算できる材料特性表示モードがあります。
  • これにより、研究者は生のEBSDデータを、3DプリントされたTi64合金のビルド方向と降伏強度の関係など、材料の主要な物理特性に関する情報に瞬時に変換することができます。

電子部品のグレインバウンダリ工学

  • 部品の電気的な性能は、粒界や粒内分布や性質と密接にリンクしており、それらを制御することはグレインバウンダリ工学として知られています。
  • AZtecCrystalはバウンダリを高速で解析し、特殊粒界(対応粒界等)の割合やナノメーターからミクロンスケールまでのグレインサイズを計測します。

関連情報

その他アプリケーション

ナノマテリアルの成長と特性評価積層造形(3Dプリンター)構造部材・コンポーネント自動車用エンジンEV技術自動車用センサバッテリー技術太陽光発電技術太陽電池|構造特性評価産業発電用材アスベスト分析環境汚染物質分析コンポジット・構造機械・電子特性故障解析デバイス製造検査・プロセス制御低次元構造の物性評価LED製造・特性評価触媒材料の特性評価ロックコア分析鉱物加工・ケミカル分析ロックストレス応答性太陽系外惑星探査X線蛍光分析、X線撮影、CT電子顕微鏡

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