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NanoAnalysis | Blog
地質試料の広域マッピング パート 2

21st  April 2022 | Author: Dr Lucia Spasevski

地質試料の広域マッピング パート 2

前回のブログでは、大きな地質試料の分析に関連する課題を取り上げました。今回は、AZtecLive NanoAnalysisのLarge Area Mappingソリューションを紹介し、花崗岩のサンプルでその使用方法を示しました。試料を横切るグリッド状に複数の個別の電子線像とEDS X線マップを自動的に収集することで広い範囲をカバーし、この機能の助けを借りて、素早く十分な理解を得ることができました。前回のブログで、マップの設定方法を動画で紹介しました。図1は、大面積マップの実行中の様子です。

Automated Large Area Mapping run
図 1: 自動広域マッピング分析

広域マッピングの終了直後には、設定した領域の電子線画像とX線マップをモンタージュして、1枚の大きな画像を作成しました。 Ultim Maxなどの最新のEDS分析用シリコンドリフト検出器では、このようなタスクをわずか数分で完了させることができます。

花崗岩サンプルの広域マッピングのビデオでは、マッピングを開始すると同時に元素が自動的に識別される様子をご覧いただけます。例えば、最も大きなピンク色の相はカリ長石(KAlSi3O8であることが分かります。 CaもNaも確認さ れなかったため、斜長石(CaAl2Si2OとNaAlSi3O8の固溶体)はほとんど存在しないと判断することができます。

SiとAlのX線マップの両方を観察すると、Siマップの強度の高い領域がAlマップの対応する領域で暗く見えることがわかります。Alを含まないことから、これらの濃いピンク色の領域は石英であることがわかります。石英の粒は丸みを帯びているものと不規則なものがあります。

さらに、アパタイト(CaPO4も確認でき、これはCaとPのマップから明確にわかります。

動画でお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、冒頭の試料の光学画像には、肉眼で見える黒い粒がたくさん含まれています。 これらの粒は、葉状の組織が顕著で、一方向にしか劈開が見られないので区別できます。 広域マップでも粒がはっきりと確認できます。図2では薄い黄色の粒で、Fe、Mg、Alを多く含むことから、黒雲母(K(Mg,Fe)3(AlSi3O10)(F,OH)2)と思われます。

montaged large area layered map individual-X ray maps
図 2: モンタージュした広域レイヤーマップおよび一部の個別X線マップ

このブログでは、AZtec® Large Area Mappingを使用することで、大きなサンプルエリアに対して1回の自動運転で広範囲の組成情報を収集することができることをご紹介できたと思います。私たちは、個々の視野の高い解像度を維持しながら、オフラインでより詳細な分析を継続するのに十分なデータを収集することができました。 このサンプルのマッピングにご興味のある方は、近日中に公開予定のアプリケーションノートをご覧ください。AZtec 大面積マッピングの詳細については、 こちらをご覧ください。

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Lucia Spasevski

Product Scientist

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