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NanoAnalysis | Blog
AZtecSteelで鋼中の介在物を調査する

07th October 2020 | Author: Dr Hui Jiang

鋼はその特性を特定の用途に最適化した上で、幅広い用途に使用されています。鋼中の非金属介在物の存在は、その鋼の特性に大きな影響を与える可能性があります。したがって、鋼中の介在物の存在を監視、特性評価、制御することは、正しい特性を提供するための重要な作業です。非金属介在物が鋼の品質に及ぼす影響を調査する際には、これらの介在物の組成、サイズ、分布、物理的特性が非常に重要になります。クリーンで超清浄な鋼への要求が高まるにつれ、より大きなサンプル領域でより小さな小さな介在物を検出することも求められています。

これはエネルギー分散型X線分析装置(EDS)を備えた走査型電子顕微鏡(SEM)とAZtecSteelのような専用の粒子分析ソフトウェアを使用するのが最適です。SEMとEDSを使用することで、化学的な情報を特性評価に追加しながら、形態をより正確に(マイクロおよびナノメートルスケールで)決定することができるため、さらに精度が向上します。

SEMは小さい粒子のイメージングのための強力なツールです。SEMとEDSシステムを組み合わせることで、化学的情報を得ることができます。AZtecSteelを使用して検査された鋼の介在物の例をご覧ください。

低合金鋼

下の画像は、2724個の介在物が検出され、32分で分析された広範囲の低合金鋼の画像をモンタージュしたものです。様々な酸化物、窒化物、硫化物の存在を示しています。主にAl-ケイ酸塩とMnSの介在物が多くを占めています。その多くは細長い形状をしており、ストリングを形成していることが観察されます。低合金鋼の介在物が主な孔食開始原因であり、硫化物介在物は他の介在物に比べて孔食を起こしやすくなっています。この結果は、硫化物介在物の数を減らすために処理のさらなる最適化が必要かどうかを判断するのに役立ちます。

低合金鋼中の大きな領域で、検出基準を満たす介在物が検出され、色付けされています。

クラス分けの合計とカラーキー

高張力高速鋼

ここでは、標準的で経済的なモリブデン高聴力高速度鋼(HSS)の別の例を示します。

HHSは、ドリル、金型、および他の切削工具を製造するための最も重要な材料の一つです。HSSの組成は、通常、コバルト、モリブデン、タングステン、およびバナジウムを含み、これらはすべて炭化物を形成します。他の介在物とは逆に、これらの炭化物は、硬度と耐摩耗性を高めることができます。HHSの品質は、マトリックス中の炭化物の種類、大きさ、および分布に大きく依存します。したがってこのような粒子の同定と定量化は、特に微細構造と機械的特性の見通しとの相関関係において、大きな関心事であるように思われます。

 

データは11mm2のエリアで収集され、150563個の粒子が検出され、分析されました。下の表に示すように、サンプルには介在物と炭化物の両方が含まれていますが、炭化物が大部分を占めています。炭化物の種類はMo-W-炭化物です。

Al inclusion Classification Results Summary
ClassFeatures
MgAl Spinel25
Spinel4
Corundum1
Al- Silicates3
Me Nitrides29
Me- Sulfides6381
(Ca, Mn) S14
Al-Oxid / MnS1
Mo-W-Carbides144085

高速度鋼サンプルの全介在物クラス分けのまとめ

ECD>1.6mmの粒子が検出されました。144085個検出されたMo-W炭化物の平均ECDは2.5mmであり、ヒストグラムを以下に示します。

検出されたMo=W炭化物のECDヒストグラム

炭化物の分布を示す典型的な単一視野BSE画像と、Mo-W炭化物から収集された典型的なスペクトルです。炭化物の分布はあまり均一ではなく、ほとんどの炭化物は球状ですが、帯状の炭化物領域や炭化物のクラスターがあることがわかります。

単一視野中のMo-W炭化物を示すBSE像

Mo-W炭化物から収集された典型的なスペクトル

このような結果は、炭化物のサイズと分布が鋼の特性や工具寿命に与える影響を理解するのに役立ちます。  その後処理を最適化して、炭化物のサイズを微細化し、炭化物の分布を均一化することで、機械的特性をさらに向上させることができます。また異なるプロセス段階での炭化物の詳細な調査は、高速度鋼における炭化物の形成と変態を評価し、理解する上で重要です。

これを読めば、AZtecSteelの自動化された介在物分析パッケージで行われる介在物分析について理解していただけると思います。製品、アプリケーション、または他の類似のトピックに関する最新情報を受け取るために、今すぐ弊社のメーリングリストにご登録ください。

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Dr Hui Jiang

Senior Product Scientist

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