21st April 2021 | Author: Kim Larsen
パンデミックが続く中、科学者や研究者にとっては障壁となっていますが、電気自動車やバッテリー駆動の家電製品の世界的な需要を支えるために、新しい化学物質やソリューションがこれまでにないペースで開発されています。 ここ数カ月の間に、TeslaとVWは将来の電気自動車に使用するバッテリー技術に関するロードマップを発表し、最先端の技術を使用したより良い製品の開発を求める圧力が高まっています。
オックスフォード・インストゥルメンツでの私の役割の一つは、当社の製品がバッテリー市場でどのように使用されているかを調べることです。 この分野は発展のスピードが速く、常に新しい問題が発見されています。 その一例として、汚染物質がないことを確認するために、生の粉体をどのように分析するかという最近の研究があります。
しかし、もう一つの課題は、正極の製造に使用する粉末の化学的性質を決定し、制御することです。 AZtecFeatureを使うことで、各粉末粒子からのデータ取得を自動化し、各粒子の化学データを三元図にプロットすることができます。 これはデータポイントのばらつきだけでなく、粉末の全体的な化学的性質を示すもので、品質を確認する簡単な方法です。
この例ではSEMでNCMの粉末を見ています。各粒子の位置は、後方散乱電子画像に基づいて識別されます。 下のビデオのように、各粒子の中心からスペクトルを自動的に取得し、結果を自動的にプロットします。 三元図では、粉体の化学成分がNCM 523であることや、データポイントの点で比較的外れが少ないことが簡単にわかります。
電池の正極材を製造する際に粉体が混入しますが、SEMで分析することができます。 一般的には、イオンミリングやFIB-SEM(集束イオンビーム)を用いて断面サンプルを作成し、分析するための領域を準備することで行われます。 これにより初期の粉末から最終製品までの化学変化をモニターすることができ、材料の化学変化と最終製品の性能を比較することができます。
下図は、正極箔断面におけるNiリッチ粒子周辺のCo含有量の変化を示したものです。 データからは、材料の加工方法に起因すると思われる化学的性質の局所的な変化が明らかになっています。 負極材についても、シリコンが濃縮された球状黒鉛粒子を見れば、同様の分析が可能です。
現在の開発では固体電池技術に向かっており、SEMやSEM-FIBを使った分析がさらに容易になるはずです。 展開がどこまで進むのか、分析ツールの使用がどのようにその展開に役立つのか、非常に楽しみです。