部品の清浄度は、ほとんどの工業生産プロセスの根幹をなすものであり、高品質の製品を保証するために極めて重要です。
部品の清浄度評価は、自動車産業や航空宇宙産業など、機構部品の製造に関わる幅広い産業で応用可能です。
パーティクル汚染の有無は、システムの性能、寿命、信頼性に大きな影響を及ぼします。初期寿命におけるシステムの摩耗率の上昇を招き、故障の原因となることもあります。 そのため、製造工程で高い清浄度を保つことが重要であり、汚染物質の発生源を特定するためには、正確な情報が必要です。 そのため、品質管理の一環として清浄度を評価することは、製品の性能を一定に保つために非常に重要です。
SEMからより多くの情報を得る
パーティクルのレベルが許容範囲内かどうかを知り、パーティクルの発生源を特定するためには、その組成と形態の両方を知ることが重要であり、それによって製造工程を監視し、最適化することができるのです。
歴史的に、パーティクルのカウントと測定には光学顕微鏡が使用されてきました。このプロセスには時間がかかり、検出可能な最小粒子径が制限され、組成情報は得られません。 走査電子顕微鏡(SEM)とエネルギー分散型X線分析装置(EDS)を用いることで、高倍率での分析が可能となり、パーティクル単位で組成と形態を組み合わせることができるため、分析が大幅に改善されます。さらに、全自動でのデータ収集が可能です。
大面積センサーによる性能向上
この分野の分析では、通常、スループットが重要視されます。そこで、センサー面積の大きなEDSを使用し、より多くのカウントを取得することで、スピードと高いデータ品質を両立させることができます。 Ultim Max EDS検出器シリーズは、この分析に必要な性能を備えています。最大170 mm2のセンサーサイズを使用することにより、一秒間に多くのX線を取り込むことができます。 そのため、より短時間で正確なサンプルの分析が可能です。これらの検出器は、EDSの取得速度が1時間当たり120k粒子を超える超高速粒子分析に理想的です。
技術的清浄度分析の最適化と自動化
AZtecCleanは、AZtecFeatureとUltim Max EDSハードウェアの能力を活用し、技術的な清浄度分析を最適化および自動化するソリューションです。AZtecCleanは、ISO16232やVDA19などの国際規格に準拠したパーティクルの検出、識別、レポート作成を実現します。
この動画は、技術的清浄度のサンプルを非常に高速で取得し、分類する様子を撮影したリアルタイム動画です。
AZtecCleanを使えば、SEMでサンプルを自動で分析することができます。 基本的な手法は、粒子の位置を特定し、その形態と組成を測定し、この情報を組み合わせて粒子を分類し、他のすべての粒子についてこれを繰り返すというものです。 そして、たくさんのパーティクルの全体像を構築していきます。その一例を以下に示します。
検出されたパーティクルを示すフィルター全体のモンタージュ画像。パーティクルは分類ごとに色分けされています。
フィルター分析全体の分類の合計とカラーキー。
もっと詳しく...
次回のチュートリアル「AZtecCleanによる技術的清浄度分析」では、より詳細な内容をご紹介する予定です。 2022年7月7日(木)にぜひご参加ください! お申し込みページはこちらです。