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BEXとは?

反射電子(Backscattered Electron) と X線(X-ray) を組み合わせたBEXイメージングは、走査電子顕微鏡(SEM)の観察手法のひとつであり、反射電子(BSE)センサーとシリコンドリフト検出器などのX線センサーをひとつの検出器ヘッドに搭載し、同時にデータを取得する技術です。 

複合的に収集された信号は、凹凸状態、結晶状態、組成情報などを含み、”一般的な” SEM観察条件において短時間で取得した情報から、高解像度カラー画像を生成することができます。

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BEXイメージングの例

Ti
Ni
Al
直径12mmの試料スタブ全体の
BEXマップ.
20 kV, 2 nA,
30 分イメージ収集
電子チップの高解像度BEXイメージ.
20 kV, 1.5 nA, 2K 10 秒イメージ収集

SEMにおけるイメージング技術

二次電子によるイメージング 

歴史的に最も一般的な手法は二次電子(SE)イメージングであり、一次ビームと試料表面の非弾性相互作用によって試料から放出される低エネルギー電子(~50 eV)の検出を行います。電子は、正バイアスのファラデーケージ、シンチレーター、光電子増倍管からなるEverhart-Thornley検出器によって検出されます。

生成される信号は試料表面近傍から発生し、一次ビームの入射角が法線から遠ざかるにつれて、バルク材料から脱出する電子の数が増加するため、SEイメージングには局所的な試料形状に関する情報が含まれることになります。

二次電子(緑)は試料表面近傍で発生し、試料の形状に関する情報を含むグレースケール画像を生成します。 20 kV, 1 nA, 15 秒収集

反射電子を用いたイメージング

反射電子(BSE)イメージングでは、試料の深部から発生する電子を検出します。BSE電子は、一次ビームと試料間の弾性的相互作用により、入射電子の軌道が変化し、試料表面から散乱されるため、より高エネルギーとなります。SE検出器は、試料から離れた位置にあるため信号が非常に小さく、このような電子の測定には有効ではありません。その代わりに、BSE検出器は通常、信号収集を最大化するためにSEM対物レンズのすぐ下に配置されたp-n半導体で構成されます。

BSE信号を生成する散乱相互作用は、より重い元素でできた試料ではより強くなります。その結果、BSE画像には、より重い相が明るく見える試料の組成に関する情報が含まれます。BSE検出器の簡単な操作では原子番号のコントラストを表示しますが、センサーが2つ以上のセグメントに配置されている場合は、各センサーからの信号を組み合わせて形状情報を表示することが可能です。

反射電子(赤)は試料表面の下方から発生し、試料の組成に関する情報を含むグレースケール画像を生成します。 20 kV, 1 nA, 15 秒収集

BEXによるイメージング

BEXは、BSEセンサーとX線センサーを組み合わせたもので、標準的なBSE検出器と同じ位置である、対物レンズのすぐ下に配置されます。 X線センサーは、一般的にシリコンドリフト検出器(SDD)であり、試料がSEMの電子ビームを照射される際に発生する特性X線を、EDS検出器と同じ方法で検出します。 ソフトウェアアルゴリズムは、収集されたX線信号を処理して、どの元素が存在するかを自動的に識別します。 検出されたこれらの元素には色が割り当てられ、BSE検出器からの信号とともに重ね合わされて最終的なイメージが生成されます。

SEまたはBSEイメージングと比較すると、BEXイメージングシステムは、試料組成と元素分布に関するより多くの情報を、同じ収集時間、同じ測定条件でもたらします。

従来のEDS検出器と異なり、BEXイメージング・システムは、非常に高い立体角のセンサーを持っています。これにより、X線情報を収集を、標準的な画像収集速度とビーム電流条件(~1 nA)で実行することが可能です。 また、対物レンズの近く、試料の上方にSDDを配置することで、試料の凹凸による影の影響を排除し、幅広いワーキングディスタンスにおいて、試料の観察が可能になります。

BEX X線カラー電子像
反射電子像
反射電子(左図の赤い点)とX線(左図の青い点)が検出され、合成されることにより、試料の組成を示すBEXカラー画像(右図)が生成さ れます。 20 kV, 1 nA, 15 秒収集

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